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ふと目が覚めると、ベッドの上にいた。
・・・あれ、俺ベッドで寝てたっけか?
時計を見ると、日が昇るにはまだまだ時間がある。
もう一眠りするか。
何かが視界に入った気がして隣を見ると、ミカンが俺のベッドの脇にもたれて眠っていた。
もしかしてこいつが運んでくれたのか?
どこでも寝られるから放っておいてくれても良かったのに。
ひょろっこい体で、寝顔なんて女みてぇだ。
ミカンをベッドに運ぼうとそっと抱きかかえる。
「ありがとな。」
起こさないように小さく囁いた。
『ん・・エース・・・』
どことなく色っぽい声で自分の名前を呼ばれて、心臓がドクンと音を立てた。
なにドキドキしてんだ!俺!
こいつは男だぞ!
手に触れるミカンの太ももが柔らかい。
ダメだダメだ!収まれ心臓!
自分との闘いの末、無事ミカンをベッドに寝かせて布団をかけてやる。
「風邪引くなよ。」
『・・ありがとう。エース。』
「起きてたのか?」
規則正しい寝息が聞こえてくる。
なんだ、寝てるのか。
「どんな夢見てんだよ。」
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