私は観念して話し始めた。
私が住んでいたパトリア島が3年前に海賊に襲われたこと。
その時にどこからともなく現れて助けてくれたのがエースだったこと。
島の守り神だった宝石は奪われたけど、島の人たちも私の家族もエースのおかげでみんな無事だったこと。
どうしてもエースに恩返しがしたくて、ずっと探してたこと。
そして2年前の頂上戦争の時、電伝虫の映像を見てるだけで何も出来ないのがすごく悔しかったこと。
『白ひげ海賊団は女の子は入れないって聞いてたから、だったら男のフリをしようと・・ごめんなさい。』
「・・・エースへの恩返しって訳か。」
マルコさんが顎に手を当てて考え込んでいる。
「俺たちは海賊だ。海軍にも追われるし危険な事も多い。その覚悟はあるのかよい?」
『もちろん!修行もしてきたんだ!』
マルコさんはちょっと考えたような後にふっとため息をついた。
「分かった。黙っててやるよい。」
『いいの?!』
「あぁ。けど他の奴らには男だって事にしとけよい。一応決まりだからな。」
『ありがとう!マルコさん!!』
「マルコでいいよい。それじゃあ宴に戻るぞ。しゃきっとしろよい。」
『おぅ!』
柔らかく目を細めたマルコの眼差しで、強張っていた体から力が抜けていくのを感じた。