「ミカン、俺さ。エースの墓の前でミカンと会った時、ミカンはエースが生死をかけて守った人だから、俺がエースの意志を継いで守っていこうと思ったんだ。」
サボがゆっくりと言葉を紡いでいく。
「だけど今はもうそれだけじゃない。俺にとってもミカンは大切な人なんだ。今は俺の意志で、ミカンを守りたい。」
『私もサボが大切だよ。もう大切な人を失いたくない。私もサボを守りたい。私なんかまだまだ弱いけど、少しでもサボの力になりたいの。』
ふわりと両腕で抱きしめられる。
私の右肩にサボの顔がのっかる形になる。
左手は背中に。右手は頭を優しく撫でてくれる。
「バカだな、ミカンは。女を守るのは男の役目だ。好きな女なら尚更な。」
耳元で聞こえるサボの声に頭がとろけそうになる。
『サボ・・・。』
「だけど、ありがとう。」
そっと体を離すと、ニカッと満面の笑みを浮かべるサボ。
「すっげーミカンの愛を感じたよ。」
思いがけない笑顔に戸惑っていると、また急に真剣な表情になるサボ。
「ミカン。愛してる。」
『・・私もだよ。サボ。』
ゆっくり瞼を閉じると、優しいキスが降ってくる。
今度こそこの温もりを失わないように、強くなろうと心に誓った。