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ミカンに絡んでいた輩を追い払う。
「悪かった。油断した。」
ミカンの目から涙が溢れてくる。
「おい、ミカン。大丈夫か?
もうあいつは追い払ったから。ごめんな。怖かったよな。」
ミカンの目からは、はらはらと涙が流れ続けている。
『サボ。ちがうの。』
「どうしたんだ?」
『エースの笑った顔を思い出した。』
「え?」
『2年前のあの日からずっと、エースの笑った顔がどうしても思い出せなかったの。
思い出すのはいつも、傷だらけのエースの苦しそうな、寂しそうな、そんな顔。
だけど今思い出した。』
涙を流しながら、なにか吹っ切れたような笑顔を浮かべるミカン。
そうか、ミカンはあの日をずっと引きずってたんだな。
「思い出せてよかった。」
『うん。それにね、エースは最後も笑ってた。きっと、みんなに愛されて幸せだったんだね。』
「・・・あぁ。そうだな。」
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