Gloriosa

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さっきの攻撃、ミカンは明らかに途中で動きを変えていた。

『パンチは左腕でカードされるから、じゃあ蹴りかな、と思ったんだけど。全然間に合わなかったね!』

かなり手加減してたとはいえ、俺の動きを読んだってことか。

さっきの俺の攻撃も、寸止めしようと思ってたのにミカンは自分でかわしてた。

まだ練習し始めて一週間そこそこで、こんな動きができるか?

「どうして左腕でガードすると思ったんだ?」

『んー、なんかそうするのが見えたっていうか、何だろう。』

ハックと目を合わせて頷きあう。

「それ、覇気じゃねぇか?」

『覇気?』

「あぁ。見聞色の覇気だ。なんでミカンが。」

「おいミカン、昨日のあれ!」
話を聞いてたのか、他の隊士が話に入ってくる。

「なんだ?」

「昨日、食堂でミカンと一緒にいたんだけど、船なんか見えねぇのに、サボだ!って急に飛び出して行ったんだ。そしたらほんとに帰って来て。」

「ほんとか?ミカン。」

『あ。うん。サボが近くにいる気がして。』

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