Gloriosa

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翌日。

今日はサボに訓練に付き合ってもらう。

ウォーミングアップをして、二人一組での実践練習。

ハックさんが見守る中、私はサボと向き合う。
お互いに武器は無し。

「では、始め!」

ハックさんの合図で一気に距離を詰める。

闇雲に攻撃を仕掛けるが、全てあっさりかわされる。

でもなんか、いつもと違う気が・・・。

「ミカン、もっと俺の動きに集中しろ。」

集中・・集中・・・

次のサボの動きは・・・右手の突き。

当たる前に屈んでかわす。

サボの胸あたりを目掛けて右手を突き出す。

・・いや。サボは絶対左腕でカードしてくる。

だったら!

パンチをしようと握っていた手をひらいて、
思った通りに上げられた左腕を掴む。

そのまま右足で蹴りを入れる。

だめだ。間に合わない。

パシッー

サボの右手で足を掴まれる。

「ミカン、お前。」
サボは真剣な顔をしている。

『へへ。やっぱり全然ダメだね。』

そっと足と腕を下ろす。

「どうして途中で攻撃を変えた?」

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