Gloriosa

ドラゴンさんがいた部屋から少し歩く。

「ここだよ。」
開いたドアの向こうは、綺麗に整頓されているけど明らかに男の人の部屋。

『ここって、サボの部屋?』

「あぁ、今は空き部屋がないからしばらく俺と同室だな!
狭いけどなんとかなるだろ!」

そっか。そうだよね。
自分の部屋なんてあるわけないよね。

「?どうかした?」

『ううん!なんでもない!ごめんね、一緒に使わせてもらって。』

サボと同じ部屋なんて緊張するなぁ。

「サボくーん!」

部屋の前でそわそわしてると、女の人が駆け寄ってくる。

「コアラか!」

「聞いたよー!ミカンちゃんでしょ?
私はコアラ!
サボくんとは同じチームで行動する事が多いからよろしくね!」

『よろしくね!コアラちゃん!』

「分からない事があったら何でも聞いてね!」

『ありがとう!』

「それよりサボくーん?
ミカンちゃんにサボくんの部屋を使わせる気ー?」

「え、他に部屋空いてなかっただろ?」

「だめだよー!ミカンちゃんは女の子なんだから、サボくんに変な事されたらどうするの?」

「へ、変なことって!俺がそんなことするかよ!」

コアラちゃん、変なことって・・

「あれ、ふたりとも顔赤いよー?
ミカンちゃんは私の部屋においで?」

『いいの?ありがとう!』

「そーいう事だから!サボくん!」

「あぁ。頼むよ。」

サボくんには申し訳ないけど、コアラちゃんが誘ってくれて良かった。

女の子同士の方がなにかと安心だしね。

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