エースと手を繋いだまま、ゆっくり歩く。
歩きながら、エースは白ひげ海賊団の話をしてくれた。
白ひげ海賊団は、私でも聞いたことがある。
四皇とよばれる最強の海賊の1人だ。
エースはルフィと暮らした島を出て、自分の海賊団を作った。
最初は白ひげさんを倒すつもりだったらしい。
何度勝負を挑んでも敵わず、懐の深い白ひげさんの息子になった。
エースの夢は白ひげさんを海賊王にすること。
すごく愛を感じてあたたかい気持ちになった。
そんな話をしていると、東の海岸に着いた。
太陽は西に傾いてるから、こっちの海は薄暗くなってきている。
『エースの故郷もこの海の先にあるのかな?』
水平線の向こうに想いを馳せてみる。
「あぁ、そうだな。
あの頃は毎日ルフィと一緒に、クマと戦ったり、ワニと戦ったり、戦ってばっかだったな!」
『クマとワニって!!野生児だったんだね。』
「あ、トラもいたな!」
おかしそうに笑うエース。
「・・・あの時はアイツも・・」
ふいに、聞き取りづらい小さな声で呟いた。
『え?なに?』
なんでもねぇ、とはぐらかされる。
アイツも、って言ったよね。誰のことかな。
海岸沿いを2人で歩く。
気付けばお互い話すのをやめていて、沈黙に包まれる。
チラ、とエースの横顔を盗み見るけど、
薄暗いなかで帽子を被ったエースの表情は見えない。