「俺か? 俺の名はエース。
そんなか弱い女に手を出すたぁ、感心しねぇな。」
「エース? ・・・お前ッ、もしかして火拳のエースか?!」
驚いた様子の男は私の腕をパッと離した。
「なんだ、俺の事知ってんのか。 どうだ?俺とやるか?」
「いや、辞めておくぜ。邪魔したな。」
そういうと、海賊らしき男はそそくさと立ち去っていった。
『あ、ありがとうございますっ!』
「ん、いや、いいんだ。ったく、どこのどいつだ。ああいうヤローには気をつけな。」
『はい!ありがとうございました!
えっと、エース、さん?』
「エースでいい。」
『私はミカン!』
私が名乗るとエースはそうか、と笑った。
『エースも海賊なの?』
「あぁ、そうだ。ちょっとこの街に用があってな。」
そういえば少し前にもこんな事があったな。
その時の事を思い出してなんだか嬉しくなった。
「なにニヤついてんだ?」